癖になるタイの鶏そば【クイッティオ・ガイ】
タイの米麺【クィッティオ】と一言で言っても、いろいろな種類があり、種類ごとに店が違ったりする。
特に【クイッティオ・ガイ】や【クィッティオ・ルア】の店はスープの味はまず一択で専門店になる。
【クイッティオ・ガイ】は八角、シナモン、くこの実などの五香粉みたいな香辛料と鶏を煮込んだ黒く透明なスープで、【クィッティオ・ルア】は香辛料と豚の血が入った真っ黒く濁っているスープを使う。
【クイッティオ・ガイ】はガイ(ニワトリ)と名がつくようにスープも具も野菜以外は鶏だけを使う。
野菜類は生のニガウリ、スイートバジル、モヤシを後から自分の好みでのせる。
この【クイッティオ・ガイ】が結構クセになってしまうときがあり、気がつくと一週間連続で食べていたりする。
この麺類は何故か屋台で営業している店がほとんどで、店舗を構えてる店は見たことがない。
なぜだろう?
オンヌット通り界隈でタイ人の間では結構評判の良い店を一軒紹介してみよう。
オンヌット通りソイ24の少し奥まった住宅街の中にある屋台だ。タクシー運転手の中にはわざわざ遠くから食べに来る人もいる。
ここはブロイラーではなく、ガイ・バーンと呼ばれる放し飼いのニワトリを使っているので具の肉は硬く脂肪は少ない。店主は珍しくモスリムなので金曜定休日で早朝雨が降ったりするとお休みになる日がある。
ソイ24を真っ直ぐ進み突き当りを左、その先を道なりに右に曲がって100メートルほど先の右側、Si Sawat AlleyのT字路角にある。
ここで外国人を見かけたことはないが、もし日本人が期待して食べにきたとしても多分がっかりするだろう。
とりたてて特徴が無いのだ。
しかしながら、いつ食べても味が変わらず安定していてバランスがいい。
飛び抜けた何かは無いが、毎日のように食べても飽きない味なのだ。
タイ人に人気があって評判の良い店というのは往々にしてこのパターンが多い。
サパーン・クワイのカオマンガイ屋もそうである。
そもそもタイ人はクイッティオを食べるとき、最初に味見もしないで卓上の調味料で自分の好みに味を作ってしまう。
最初から味に特徴があると都合悪いのかもしれない。
一見の外国人にはちょっとわかりにくい、タイ人にとっての"美味しい店"の条件と理由はそこにあるのではないだろうか。