タイ産ナンプラーの最高峰【アバロン・ブランド・プレミアム】
正直、タイで一般的に売られているナンプラーは臭くて塩っぱいだけで取り立てて美味しくはない。日本の魚醤、しょっつる、いしる、イカナゴ醤油などとは、値段の違いは有るにしても比べるべくもない。
私が過去東南アジアで本当に美味しいと思った魚醤は20年以上前にベトナムの東海岸の町ファンティエットの雑貨屋の店先でビールを飲んでいるときに、アテに買ったスルメに付いてきた生唐辛子の入ったニョクマムである。
今でも鮮明に記憶している。
ハッと目が覚めるほど美味しかった。
ベトナムのニョクマムはファンティエット産とフーコック島産のニョクマムが美味しく名物にもなっている。どちらも風味が格段に上品で美味だった。当時は大きい企業が大量に作っているわけでもなく、地元の小さな商店やレストラン、あるいは個人で造って売っている場合が多くそれぞれ味わいが違っていた。
タイの一般的なナンプラーのブランドはイカ印、牡蠣印、マテガイ印、ロブスター印、味露印などたくさんある。
(主原料にイカやロブスターを使っているわけではなく、ただのブランドイメージである)ちなみに私は普段はロブスター印のユーザーである。
その中での高級品としては、Mega Shefのナンプラーがある。日本や欧米にも輸出され売られている。値段は高いが味は普通にタイで売っている安物と大して変わりばえしない。
昨今の日本では、東南アジアの調味料としてタイのナンプラーがもてはやされているようだが、工場で大量生産されてスーパーに積まれているナンプラーなどは、東南アジア的な魚醤のクオリティーとしては、
下の下である。
そんなタイの魚醤に絶望していたある日、バンペーに本店があるシャコ専門レストランKang Banpheバンコク支店のテーブルに見慣れないナンプラーが置いてあるのを発見した。
帆立貝の貝柱と覚しき(チーズおかきにしか見えなかった)イラストにABALONE Brand Premium fish Sauceと表示がある。製造元はRayong Fish Sauce Industry Co.,LTD。
なにげにひと舐め味見してみたら、
あのファンティエットの感動が蘇ってきた。
少々人工的な甘みが気になるが、タイのナンプラーの中ではダントツで一番だ。どこで売っているのだろう?
Big CやTesco Lotusには無い。あっちこっち探してTokyuで一本だけ見つけた。エムクォーティエのグルメマーケットにも置いてあった。
後にラヨーンのバーンペーに行った時、市場で3本100バーツで売っていた。バンコクだと一本36バーツほどだったと思う。
とにかく在タイ15年目にしてやっと美味しいと思えるナンプラーに出会うことができた。